本ページは、AWS に関する個人の勉強および勉強会で使用することを目的に、AWS ドキュメントなどを参照し作成しておりますが、記載の誤り等が含まれる場合がございます。
最新の情報については、AWS 公式ドキュメントをご参照ください。
AWS Direct Connect は、企業や組織が AWS クラウドへの高速かつ安定したプライベートネットワーク接続を確立するためのサービスです。通常のインターネット接続よりも安定性が高く、大容量のデータ転送が可能なため、企業のクリティカルなワークロードやデータの移動に適しています。
企業がデータセンターと AWS にシステムを持っているハイブリットアーキテクチャの場合、両方のサーバとの通信には通信距離というコストが発生します。さらに、インターネット経由の場合、ISP の回線が十分ではなかった場合にはさらなる遅延が発生します。 このような課題を解決するために、AWS Direct Connect というサービスが提供されました。
【AWS Black Belt Online Seminar】AWS Direct Connect(YouTube)(1:00:21)
AWS へ接続するには主に次のような方法があります
AWS が提供するのは Direct Connect ロケーション内の接続ポイントまでなので、それ以外については利用者が準備しなければなりません。
主に次のようなことを検討・準備しなければならないため、負担が大きいです。
APN パートナーと契約すると、これらの対応が不要になり、回線や機器の保守を一任でき、短期間で構築できるようになります。
接続方法は次の2つがあります。物理ポートを全て専有する専用接続と、物理ポートを共有し、仮想インターフェースによって接続するホスト型接続です。
専用接続の場合に設定できます。ポートスピードが 1 Gbps、10 Gbps または 100 Gbps であることが必要です。 また、同じ帯域を使用する必要があります。「1 Gbps + 10 Gbps」という設定は不可となります。 100 Gbps の場合は最大2つの接続、100Gbps 未満の場合は最大で4つの接続となります。
1Gbps のポートの場合、最大で 1 Gbps × 4 = 4 Gbps 50Gbps のポートの場合、最大で 50 Gbps × 4 = 200 Gbps 100Gbps のポートの場合、最大で 100 Gbps × 2 = 200 Gbps
個人では検証する敷居が高いため、Direct Connect を提供している事業者のマニュアルなどを参照すると理解しやすいかと思います。
Flexible InterConnect 基本構築ガイド>1.6. AWS 作業(仮想プライベートゲートウェイ,Direct Connect ゲートウェイの作成)|NTT コミュニケーションズ
要件に応じた回復性の高いネットワーク接続を実現できます。 AWS Direct Connect Resiliency Toolkit を使用した使用の開始
クリティカルなワークロードの場合に使用します。
クリティカルなワークロードの場合に使用します。
非クリティカルなワークロードの場合に使用します。
高い回復性と通信の安定性を求めるのであれば、Direct Connect を複数接続する冗長化が望ましいです。
ただ、そこまでのコストを掛けられないが冗長化したい場合があります。そのような場合には、Site-to-Site VPN を利用した方法もあります。 最大帯域幅が 1.25 Gbps なので、フェイルオーバー時にパフォーマンスが低下する可能性があります。
Direct Connect の仮想インターフェース(VIF)は 1 本で1つの VPC にしか接続できません。複数の VPC に接続したい場合は、VIF を複数用意しなければなりません。また、他のリージョンには接続することができません。
この問題を解決してくれるのが、Direct Connect ゲートウェイです。 Direct Connect ゲートウェイを使用することで、複数の異なるリージョンや AWS アカウントにまたがる VPC への接続を可能にします。
しかし、Direct Connect ゲートウェイにも制約があります。
Direct Connect ゲートウェイに接続する VPC の数を制限したい場合は次のように VIF を 2 つ使用するアーキテクチャも有効です。
次のようなパターンをまとめてみました。 多数の VPC を接続したい、VPC 間も接続したい、今後も VPC が追加される予定があるといった場合は、Transit Gateway との接続を採用したほうシンプルになります。 ただし、Direct Connect に接続できる Transit Gateway は 6 個までとなります。 また、VPC の CIDR は重複しないように注意してください。
逆に、VPC 数が限られており、今後も増える予定がないといった場合、②VPC Peering パターンで構築するほうが良いということもあります。 今後の拡張性を十分に考慮して接続パターンを選択します。
接続パターン | 複数 VPC | VPC 間接続 | その他 | |
① 直接接続パターン | 複数 VIF | × | VIF が増えると物理ポートの帯域を分け合う | |
②VPC Peering パターン | 1 VIF | × | ③④ に比べて低コスト | |
③Direct Connect Gateway パターン | 1 VIF | × | ||
④Direct Connect Gateway + Transit Gateway パターン | 1 VIF | ○ |
こういうのもあります。
MTU とは、Maximum Transmission Unit の略で、ネットワークで一回に送信できる最大のデータサイズ(バイト)のことです。 イーサネットでは、最大フレームサイズが 1518 バイトとなっており、これには、イーサネットヘッダ(14 バイト)と FCS(4 バイト)が含まれるので、MTU=1500 となっています。
ジャンボフレームとはイーサネットの MTU を超えるサイズのことで、一般的には 9000 バイトとなっているが、これ以下、以上も存在するので注意が必要である。
AWS Direct Connect は 1522 バイトまたは 9023 バイトのイーサーネットフレームサイズ
(14 バイトイーサーネットヘッダー + 4 バイト VLAN タグ + IP データグラム用バイト + 4 バイト FCS) を
リンクレイヤーでサポートします。
プライベート仮想インターフェイスまたはトランジット仮想インターフェイスのネットワーク MTU の設定
2 台の隣接するルータ間でヘルスチェックを行い高速に障害を検知してルーティングプロトコルに通知する機能です。これを使うには、BFD 対応ルータを用意することが必要になります。 BFD を使わない場合、BGP が接続障害を検知するのには最大で 90 秒かかります。 そのため、冗長接続の場合は BFD 対応ルータを用意することはフェイルオーバー時間を短縮するのに効果的です。最短で 1 秒(300 ミリ秒間隔のチェック 3 回で検出)まで短縮が可能になります。